憎悪を股間への摩擦に変換した夜|『【鬱勃起】レイヤーの彼女がヤリチン芸能プロダクションにハメられた汚話』レビュー CV:堀米玲音
普通のASMRが砂と化す。
盗聴越しの枕営業が耳管に詰まる。
他でヌけなくなっても知らんぞ。
深夜0時過ぎ、残業帰りの自宅

SIerの案件が一個デスマーチ化していて、帰宅した時点でもう24時を回っていた。
脱いだジャケットが床に落ちる。
拾わなかった。
デスクのモニターだけが部屋を青白く照らしていて、そこにはまだ閉じ忘れたシーケンス図が広がっている。
取引先の怒声が耳の奥で溶け残ったまま、ヘッドフォンのハウジングが両耳を塞いだ。
こういう夜に地雷を踏む。
コロコエの作品。
タイトルに「鬱勃起」と書いてある。
警告を読んで、それでも再生を押した。
喉の奥に引っかかる予感のまま、俺は彼女のいる「ぼく」の話を聴き始めた。
引き返せた(トラック3-06:10)
【イントロ】
同人イベントで名刺を渡してきた男がいた。
芸能プロダクションのディレクターを名乗る、そいつが伊織に目をつけた。
レイヤーとして芸能界に片足踏み込みたい彼女は、連絡先を交換した。
事務所で話してきた、とだけ言って帰ってきた彼女は、その日から少し遠かった。「ぼく」は盗聴器を仕掛けた。
ここで俺は、主人公と同じ行動をしている。
再生ボタンを押し続けているという意味で。
トラック3、6分10秒。
くぐもった帯域を通過した音声が、鼓膜の内側に滲んでくる。
バイノーラル録音の定位が、右と左の間にくぐもった空間を作り出して、そこに——伊織の声が落ちてきた。
卑猥な水音。
グチュ、という低いSEが、圧縮音声特有のノイズを纏いながら、確かに耳管の壁に触れた。
「…プロデューサーチ●ポを…」
鼓膜の内側が急速に負圧になった。
骨導音だけが頭骨を這うような耳鳴りが、うっすらとキーンとして、それ以外の音が一瞬消えた。
「伊織の浮気マ●コに入れて…」
デスクチェアの背もたれから、背中が離れる。
気づいたら前傾姿勢になっている。
身体が勝手に音源に接近しようとしている。
「枕営業セックスさせてください…!♥♥♥」
股間が、俺の意思を完全に無視して熱を帯びた。
盗聴器越しの音声だ。
生身の湿度も温度も、ヘッドフォンには流れてこない。
それなのに——音声の向こう側で液体が熱を持っているのが、なぜかはっきりと脳幹まで届いた。
(これだ。これがネトラレだ。)
仕事のストレスが、
「自分の彼女が間男に姦通される怒り」によって薄れる。
腹の底に何かが焦げ付く感触がある。
後頭部に血圧が集まって、耳の付け根が熱い。
ただ悔しい。
心底腹が立つ。
それなのに、俺の膝上では確実に興奮の権化が首をもたげている。
他の被検体カルテ
309: 名無しの被検体 2024/03/14(木) 02:17:44 ID:xK7nR2a
盗聴パートの定位がえぐい。くぐもり具合がリアルすぎて本当に盗み聞きしてる感覚ンゴ
リップノイズのノイズ処理も絶妙。神CVに竿役のドスが合わさって地獄
347: 名無しの被検体 2024/03/14(木) 03:08:11 ID:Q2mLz9f
伊織の堕ち前の幸せそうなトーンと堕ち後の声質の落差で無理。バイノーラルの定位精度が高すぎる
コロコエのSE、毎回本番前後の空気感まで拾ってて草
412: 名無しの被検体 2024/03/14(木) 04:33:59 ID:Yb8cWp1
枕営業シーンの竿役がガチ過ぎてやんけ。演技じゃなくてドキュメンタリーやんこれ
「枕営業セックスさせてください」の台詞回しで射精したンゴ。堀米玲音は天才か罪人か
伊織は笑っていた(トラック6-16:09)
ここまで来て、まだ続きを再生している自分が腐敗した何かのように思えた。
それでも——止まらなかった。
トラック6、16分9秒。
今度は盗聴越しではない。
鼓膜に直接叩きつけられる、眼前の肉と肉の衝突音。
バイノーラル収録の空間解像度が上がって、右チャンネルに伊織の呼気の湿度が漏れてくる。
腕の産毛が一斉に起立した。
イラついているのに、だ。
そこでプロデューサーが伊織に何か耳打ちした気配がして——
「えぇっと…笑」
語尾が笑っている。
照れているような、でも嬉しそうな、あの声のテクスチャが、耳孔に侵入した。
「今から伊織が言うこと…ちゃんと言って?♥」
ここで俺の全神経が——
「『僕のチ●チ●が小さくて彼女を満足させらないので』」
無意識に拳を握り込んでいた。
右手の掌に鋭い痛みが走る。
「『代わりにハメてもらってありがとうございます』…笑」
皮膚の内側から、何か腐敗しかけたものが充填されていく感触と、
同時に鼻腔の奥に——生々しい匂いを纏った湿った空気が流れ込んでくる錯覚がある。
俺は何でただのフィクションにここまでの怒りを覚えているのだろう。
(わかってる、わかってるんだよ。それでも右手が——)
怒りが、そのまま自分の分身への摩擦係数に変換されていく。
プロデューサーへの怒りが、伊織への怒りが、この状況に勃起している自分への怒りが——全部、一点に収束して。
「あ゛ぁ…やっべッ…!♥♥♥」
右耳に、イクときの吐息が直接吹き込まれた。
温度があった。
湿度があった。
「お゙っ゛お゙っ゛お゙っ゛♥」
「枕営業セックス大好ぎい゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!」
理性の回路が溶断した。
溶断と同時に——吐き出した。
精液ではなく、腹の底に凝固していた何か腐ったものを吐き出したような気分だった。
ポジティブな感情は何一つ残っていない。
翌朝。
通勤電車の中で、イヤフォンを外していても伊織の絶頂の吐息が耳管の粘膜に貼り付いたまま剥がれなかった。
本当に、良い作品だ。
こんなゴミな気分にさせてくれやがって。
アホか。
作品スペック
この作品は聴く人を選ぶ
以下の人間は購入するな
- 純愛が好きで「彼女がいれば世界は完結している」と信じている男 :幸福感の構造ごと破壊される。聴き終えた後に、今の彼女の笑顔が少し違う光を帯びて見える。
- 大好きな彼女がいる男 → 聴くな。聴けばお前は彼女の首筋にアザがあるか毎日確かめずにはいられなくなる。それが嫌なら、今すぐタブを閉じろ。
- 射精後に罪悪感が苦手な男 → 伊織のイク瞬間に合わせて放出した直後、腹の中に腐った何かが充填される。それがこの作品の正体だ。
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ここまで読んだなら、お前も俺と同じ側の人間だ。
他の地雷も、一緒に踏んでいけ。





